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山崎 泰広*; 篠宮 啓介*; 奥村 忠晴*; 鈴木 賢治*; 菖蒲 敬久; 中村 唯我*
Quantum Beam Science (Internet), 7(2), p.14_1 - 14_12, 2023/05
The suspension plasma spray (SPS) technique has attracted attention because of its various microstructures, which can be achieved by mixing submicron spray particles with a solvent to form a suspension. Thermal barrier coatings (TBCs) with a columnar structure, which might achieve high strain tolerance, can be obtained using the SPS technique. In this study, the internal stress distribution of the SPS-TBC with different columnar structures was evaluated by hybrid measurement using high-energy synchrotron X-ray diffraction analysis and laboratory low-energy X-rays. The effect of microstructure on the internal stress distribution of the SPS-TBC was discussed on the basis of the experimental results. In addition, the in-plane internal stress was decreased by decreasing the column diameter. The thin columnar microstructure of the SPS-TBC has superior strain tolerance. The internal stresses in the column of the SPS-TBC are periodic decrements caused by stress relaxation in porous layers.
廃炉環境国際共同研究センター; 大阪大学*
JAEA-Review 2020-030, 55 Pages, 2020/12
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度に採択された「燃料デブリ取り出しを容易にするゲル状充填材の開発」の令和元年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究ではデブリ取り出し時のダスト拡散抑制のため、チキソトロピーを示すゲル状物質をデブリ上に塗布することを提案する。粘度、透視度などの物性評価、照射試験の結果に基づき、ヘクトライト系粘土鉱物-ホウ砂複合ゲルを選定した。このゲルを用いた模擬切削試験において、切削紛の拡散抑制が確認された。本手法の適用により、切削時のダスト拡散を抑制できると考えられる。
植田 祥平; 相原 純; 後藤 実; 橘 幸男; 岡本 孝司*
Mechanical Engineering Journal (Internet), 5(5), p.18-00084_1 - 18-00084_9, 2018/10
プルトニウム燃焼高温ガス炉に用いるセキュリティ強化型安全(3S-TRISO)燃料においては、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を不活性母材とするPuO-YSZ燃料核へ、遊離酸素ゲッターの特性を有する炭化ジルコニウム(ZrC)を直接被覆する。2015年度より開始した模擬のYSZ粒子への臭化物化学蒸着法に基づくZrC被覆試験の結果、粒子装荷量100gの条件において被覆層厚さ約18から21mのZrC層の被覆に成功した。また、走査型電子顕微鏡(STEM)を通じて、臭化物法の原料ガスによるYSZ表面の劣化は観察されなかった。
植田 祥平; 相原 純; 水田 直紀; 後藤 実; 深谷 裕司; 橘 幸男; 岡本 孝司*
Proceedings of 9th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2018) (USB Flash Drive), 7 Pages, 2018/10
プルトニウム燃焼高温ガス炉に用いるセキュリティ強化型安全(3S-TRISO)燃料においては、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を不活性母材とするPuO-YSZ燃料核へ、遊離酸素ゲッターの特性を有する炭化ジルコニウム(ZrC)を直接被覆する。2017年度に実施した模擬のCeO-YSZ粒子への臭化物化学蒸着法に基づくZrC被覆試験の結果、粒子装荷量100gの条件において被覆層厚さ約3から18mのZrC層の被覆に成功した。
植田 祥平; 相原 純; 後藤 実; 橘 幸男; 岡本 孝司*
Proceedings of 25th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-25) (CD-ROM), 4 Pages, 2017/07
プルトニウム燃焼高温ガス炉に用いるセキュリティ強化型安全(3S-TRISO)燃料においては、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を不活性母材とするPuO-YSZ燃料核へ、遊離酸素ゲッターの特性を有する炭化ジルコニウム(ZrC)を直接被覆する。2015年度より開始した模擬のYSZ粒子への臭化物化学蒸着法に基づくZrC被覆試験の結果、粒子装荷量100gの条件において被覆層厚さ約18から21mのZrC層の被覆に成功した。また、走査型電子顕微鏡(STEM)を通じて、臭化物法の原料ガスによるYSZ表面の劣化は観察されなかった。
川合 將義*; 古坂 道弘; Li, J.-F.*; 川崎 亮*; 山村 力*; Mehmood, M.*; 栗下 裕明*; 菊地 賢司; 竹中 信幸*; 鬼柳 善明*; et al.
Proceedings of ICANS-XVI, Volume 3, p.1087 - 1096, 2003/07
中性子源として最高性能を誇るタングステン固体ターゲットを実用化するため、薄板状のタンタル被覆タングステンターゲットを製作した。ポイントは熱応力を下げるため、数mmの薄板にし、かつ温度監視のために熱電対孔を設けつつ、HIPによる拡散接合で製作したことである。HIP条件は既に明らかにした条件で行い、超音波顕微鏡観察の結果、接合は完璧であった。もう一つの方法として、複雑形状に対応でき、かつタンタル厚さを薄くできる電気メッキ法も確立した。
川合 將義*; 古坂 道弘*; 菊地 賢司; 栗下 裕明*; 渡辺 龍三*; Li, J.*; 杉本 克久*; 山村 力*; 平岡 裕*; 阿部 勝憲*; et al.
Journal of Nuclear Materials, 318, p.35 - 55, 2003/05
将来の核破砕施設で使用可能な、MW級の中性子源固体タングステンターゲットの開発を行った。Wを腐食から守るため、3つのコーテング技術を研究した。HIP,ろう付け,メッキである。HIP法は前報で最適化した条件が接合力の観点からも言えるかどうかを微小押し込み試験法で調べた。その結果、接合部からの亀裂発生荷重が最も高いことが証明され、確かに最適化条件であることを再確認した。たの2つの方法は、基礎的な技術としてターゲット製作に応用可能であることを示した。コーテングが無い場合のWのエロジョンを流水下で調べた。高速度ではエロージョンが発生しやすい。固体ターゲットの設計では、スラブ型と棒型を設計した。1MWターゲットの中性子特性に関する限り、固体ターゲットのほうが、水銀より優る。
Mehmood, M.*; 河口 展明*; 前川 英己*; 佐藤 譲*; 山村 力*; 川合 將義*; 菊地 賢司
Materials Transactions, 44(2), p.259 - 267, 2003/02
被引用回数:9 パーセンタイル:52.01(Materials Science, Multidisciplinary)タングステン固体ターゲットの弱点である腐食を克服するため、タンタルをコーテングする技術を開発した。電解液としてLiF-NaF-CaF溶解KTaFを用いて電気化学的に皮膜形成過程を調べた結果、金属タンタルがタングステン表面に生成されることがわかった。タンタルをタングステン上に直接コーテングするのではなく、ニッケル基盤上にする場合には、短時間で金属間化合物として成長することがわかった。
沢 和弘; 角田 淳弥; 植田 祥平; 高橋 昌史; 飛田 勉*; 林 君夫; 斎藤 隆; 鈴木 修一*; 吉牟田 秀治*; 加藤 茂*
JAERI-Research 2002-012, 39 Pages, 2002/06
本報告書は、平成7年度から開始した原研と原燃工との共同研究「連続被覆法により製造した高温工学試験研究炉用燃料の照射健全性実証試験」の結果を示すものである。HTTR初装荷燃料は日本で初めて大量生産を行った高温ガス炉燃料であり、製造過程における品質管理に加え、照射健全性を確認するための照射試験を行った。照射はJMTRの94F-9Aスィープガスキャプセルで実施した。照射試料は初装荷燃料の製造ラインから抜取った。照射開始時の核分裂生成物ガスの放出率から、照射試料には製造時の貫通破損粒子が含まれていないことがわかった。また、HTTRの最高燃焼度3.6%FIMA,最高高速中性子照射量1.510m,(E0.18MeV)まで燃料は破損することなく、健全であった。さらに、これらの値の約2倍である燃焼度7.0%FIMA,高速中性子照射量3.110mまで照射を継続したが、著しい追加破損は見られなかった。
湊 和生
図説造粒; 粒の世界あれこれ, p.131 - 133, 2001/10
微小な粒子を燃料として用いている高温ガス炉の被覆燃料粒子について、その構造,機能,及び製造法の概要を写真を用いながらまとめた。
Verfondern, K.*; 角田 淳弥; 植田 祥平; 沢 和弘
JAERI-Research 2000-067, 127 Pages, 2001/03
HTTRの運転中の燃料及び核分裂生成物挙動を予測するために、ユーリッヒ研究所で安全設計に用いられてきた手法を適用した。計算は110日の高温試験運転を含むHTTRの想定運転計画に基づき行った。その結果、追加破損率は製造時の2倍程度の約510と予測された。安全裕度を見込んだ安全評価では、最大110の破損率となった。燃料コンパクトからの金属FPの拡散放出は、銀で10%(ノミナル値),50%(安全評価値)と評価された。同様に、ストロンチウム(ノミナル値1.510,安全評価値3.110),セシウム(ノミナル値5.610,安全評価値2.910)と評価された。セシウムの結果は、原研のモデルによる結果と傾向的に良く一致した。さらに、ZrC被覆燃料粒子の照射健全性及び核分裂生成物放出挙動についても計算を行い、データベースの拡充が必要であるとの結論を得た。
吉田 英俊; 内藤 磨; 佐久間 猛*; 北村 繁; 波多江 仰紀; 長島 章
Review of Scientific Instruments, 70(1), p.747 - 750, 1999/01
被引用回数:4 パーセンタイル:38.4(Instruments & Instrumentation)コンパクトで高い繰返し計測が可能な2次元型検出器をJT-60Uトムソン散乱測定装置用に開発した。機器構成は、短波長で高い量子効率を持つ光電面、指向性を重視した近接型一段加速のマイクロチャンネルプレート、高速応答できる蛍光面、空間分割20でスペクトル分割12の240chフォトダイオードアレイ、1ミリ秒以内にデータ読み込みやA/D変換、メモリーへの転送・書き込みを行うパラレル/シリアルデータ処理ユニットである。上述した短波長で高い分光感度を持つ本検出器の特性を生かし、長波長側で高い透過率を持つように分光光学系で使用するレンズ類の無反射コーティング等の設計に留意した結果、広いスペクトル帯域幅でトムソン散乱光の測定を可能にし、10keVを越す炉心プラズマの超高温電子温度測定にも本検出器は安定かつ高い信頼性で適用できることを、JT-60Uトムソン散乱測定装置で実証した。
湊 和生; 菊地 啓修; 飛田 勉*; 福田 幸朔; 吉牟田 秀治*; 鈴木 信幸*; 富本 浩*; 西村 一久*; 小田 耕史*
JAERI-Research 98-070, 25 Pages, 1998/11
高温ガス炉の安全性の確保・向上を目指して、被覆層破損率が極めて低い、高品質の燃料を製造するために、高温ガス炉燃料製造の高度技術の開発を行った。この報告書は、その成果の総まとめである。まず、被覆工程及び燃料コンパクト製造工程における被覆層の破損発生機構を解明した。その結果に基づいて、破損発生原因を取り除くために、被覆工程においては、粒子の流動状態を適切に制御するとともに、被覆工程の途中で粒子の取り出し・装荷を行わない連続被覆法を実用化した。燃料コンパクト製造工程においては、オーバーコートした粒子の成型温度及び成型速度を最適化した。これらの技術開発により、燃料の品質は飛躍的に向上した。
山下 清信; 沢 和弘; 安藤 弘栄; 北村 昶*; 西村 一久*
日本原子力学会誌, 40(1), p.65 - 69, 1998/00
被引用回数:6 パーセンタイル:49.16(Nuclear Science & Technology)高温工学試験研究炉でのトリチウム製造試験に被覆リチウム粒子を用いることを提案し、この粒子のトリチウム保持特性を評価した。この粒子は、セラミックをリチウム化合物のカーネルに被覆したものであり、セラミック被覆にはAlO、カーネルにはLiAlO等の物質を使用する。本検討より、1000Kで400日加熱しても、この粒子からのトリチウムの漏洩率は1%以下に押さえることができ、また、1400K以上で加熱すれば短時間でほぼ完全に放出できることが明らかとなった。この特性から、HTTRのトリチウム製造試験では1000K以下で照射し、照射後この粒子を1400K以上に加熱することにより容易にトリチウムを抽出できるものと考える。更に、この粒子を核融合炉に装荷しバッチ交換してトリチウムを製造すれば、ブランケット等のトリチウム漏洩防止機能への要求は低くなるものと考えられる。
竹田 武司; 國富 一彦; 大久保 実; 斉藤 利二*
Nucl. Eng. Des., 185(2-3), p.229 - 240, 1998/00
被引用回数:12 パーセンタイル:68.65(Nuclear Science & Technology)高温工学試験研究炉(HTTR)の補助冷却設備に新たに考察した設計の妥当性を確認するため、モデル試験を行った。まず、HTTRの補助冷却器(AHX)の出口側水室の滞留空気を抜くため、ポンプを用いた強制水循環により生じる、AHX出口側水室内の曲がり管両端の差圧を利用して空気を抜くことを提案した。流れ試験の結果、ポンプの最大容量分水を循環させることにより、曲がり管を介して空気を抜くことが可能であることを確認した。つぎに、HTTRの補助冷却設備二重管(ACHGD)のライナ摺動部の使用温度950Cにおける焼付きおよび過度の摩擦を防止するため、ニッケル基超合金であるハステロイXRから成るACHGDライナ摺動部の表面に熱化学蒸着法を用いて窒化チタン(TiN)をコーティングすることを提案した。焼付き及び摩耗試験の結果、ハステロイXR表面のTiNのコーティング厚3mは、十分な厚さであることを確認した。
湊 和生; 菊地 啓修; 飛田 勉*; 福田 幸朔; 金子 光信*; 鈴木 信幸*; 吉牟田 秀治*; 富本 浩*
Journal of Nuclear Science and Technology, 34(3), p.325 - 333, 1997/03
被引用回数:16 パーセンタイル:75.78(Nuclear Science & Technology)高温ガス炉用燃料の製造時の被覆層破損率を低減するために、被覆工程及び燃料コンパクト製造工程における被覆燃料粒子の被覆層の破損機構を明らかにした。その結果をもとに、被覆工程では、粒子の流動状態を適切に制御するとともに、被覆の途中段階で粒子の取り出し及び装荷を行わない工程に改めた。燃料コンパクトの製造工程では、オーバーコート粒子をプレス成型する際の温度及び速度の条件を最適化した。これらの燃料製造工程の改良により、燃料の品質は、著しく向上した。
湊 和生; 福田 幸朔; 石川 明義; 三田 尚亮
Journal of Nuclear Materials, 246(2-3), p.215 - 222, 1997/00
被引用回数:16 パーセンタイル:75.78(Materials Science, Multidisciplinary)高温ガス炉用被覆燃料粒子のSiC層の腐食を防ぐために、3種類の新形式の被覆層を考案した。基本的考え方は、SiC層の内側に核分裂生成物を捕捉するための被覆層を付加することである。付加する被覆層として、SiCまたは遊離炭素を含むSiCを選定した。新形式被覆層の有効性を確認するために、新形式被覆層の被覆燃料粒子を製造し、炉外試験及び照射試験を実施した。新形式被覆層の有効性を完璧に実証するには追加の照射試験が必要であるが、ここでの試験により、新形式被覆層は、良好な照射健全性を有していること、及びSiC層の腐食を防ぐのに有効であることが明らかになった。
秋野 詔夫; 中野 文彦*; 久保 真治; 田中 周*; 長島 昭*; 鷺谷 昭二郎*; 中西 真行*
第33回日本伝熱シンポジウム講演論文集, 0, p.233 - 234, 1996/00
本報告は、核熱輸送の高効率化のために、溶融・凝固に際して大きな潜熱を出し入れする相変化物質をマイクロカプセル技術によって安定な微粒子とし、熱媒体中に分散させて熱容量を大幅に増大する高密度熱輸送媒体の開発研究の成果を述べるものである。4種の相変化物質(脂肪酸、パラフィンワックス)を4種の皮膜でマイクロカプセル化し、さらに粒径を変化させて、合計40種の熱媒体を試作し、その相変化特性を示差走査熱量計で測定した。相変化物質によっては、粒径が小さくなると凝固放熱温度が低下する過冷却現象が顕著に生じたので、その特性を検討した。相変化物質が単一組成の場合に大きな過冷却が生じ、混合することによって低減できることを明らかにした。
湊 和生; 菊地 啓修; 福田 幸朔; 鈴木 信幸*; 富本 浩*; 北村 昶*; 金子 光信*
Nuclear Technology, 111, p.260 - 269, 1995/08
被引用回数:4 パーセンタイル:43.23(Nuclear Science & Technology)燃料粒子の被覆層破損率を低減するために、被覆工程における被覆層の破損機構を調べた。各被覆段階の粒子を検査し、2種類の炭化ケイ素(SiC)層破損粒子があることがわかった。燃料核が部分的に炭化したSiC層破損粒子は、内側高密度熱分解炭素層が破損していると、SiC蒸着中に化学反応により生成されると考えられる。健全な燃料核のSiC層破損粒子は、SiC層被覆後の粒子を被覆装置から取り出す際に、機械的衝撃により生成されると考えられる。粒子の流動状態の制御および被覆の途中段階での粒子の取り出し装荷を行わない工程の採用により、被覆工程を改良した。
竹田 武司; 國富 一彦; 中瀬 毅*; 今井 修*; 岡崎 泰三*
The 3rd JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering (ICONE),Vol. 1, 0, p.417 - 420, 1995/00
高温工学試験研究炉(HTTR)は、黒鉛減速、ヘリウムガス冷却型の原子炉であり、原子炉出口温度は950C、熱出力は30MWである。HTTRの炉心と1次熱交換器を接続する二重管の内管の内側にあるライナは高温ヘリウムガスバウンダリを形成し、その材質はハステロイXRである。ライナと内管の熱膨張差はライナにスライドジョイントを設けることにより吸収した。それ故に、スライドジョイントの焼付き及び異常な摩耗を防止する必要がある。そのため、ハステロイXRの表面に熱CVD法を用いて窒化チタン(TiN)を3mの厚さでコーティングすることを考え、焼付き及び摩耗実験を行った。その結果、950Cのヘリウムガス雰囲気でハステロイXRとTiNコーティング材の凝着は生じなかった。また、950CにおけるTiNの摩耗は3mより薄い厚さであった。従って、ハステロイXRの表面にTiNをコーティングすることにより、焼付き及び異常な摩耗を防止できる。